リトル・ミス・サンシャイン(2006年)


田舎町アリゾナに住む9歳のオリーブ。なんともブサイクでおデブちゃんな彼女が、全米美少女コンテストでひょんなことから地区代表に選ばれた。オリーブ一家は黄色のオンボロ車に乗り、決戦の地カリフォルニアを目指すことに。人生の勝ち組になることだけに没頭する父親、ニーチェに倣って信念で沈黙を貫く兄、ゲイで自殺未遂の叔父、ヘロイン吸引が原因で老人ホームを追い出された不良ジジイ、そしてバラバラ家族をまとめようと奮闘する母親。そんな落ちこぼれ家族の、奇妙でハートフルな旅が始まった……!


レンタルDVDにて視聴。あまり期待せず「3枚まとめて1,000円」の数合わせで借りたが、とても良い映画だった。



なんとなく、日本では「ハートフルな家族の物語」みたいな宣伝がされたようだが、僕は、「下品とは何か?」をブラックユーモアで描いた作品だと思った。凝った脚本だな、と思いながら見ていたら、終わってから「アカデミー賞脚本賞」を受賞していた作品と知った。



特に、クライマックスの美少女コンテストのシークエンスは素晴らしい。「(同時に)笑い泣ける」素晴らしいシーンがあった。



アメリカ人の中には、アメリカの醜悪さの部分を分かっていて、なおかつ、それを糾弾するのではなくて、こういう映画を作ることによって批評に昇華する人がいる、というところが凄いな、とこういう作品に出会うたびに思う。