SQ “かかわり”の知能指数/鈴木謙介
- 作者: 鈴木謙介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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仕事上の基礎勉強の一環として読んだ。著者は若手?社会学者の鈴木謙介氏。
本書の目玉は、震災後に実施した1万人調査の分析。
その調査結果から、
- 「他人に貢献したい」という態度を持っていることが、その本人の主観的な「幸せ」に繋がる。
等々の示唆が展開されている。
震災後5ヶ月程度というタイミング、また、媒体がインターネットであるため、サンプルバイアスが若干気になるところではある。
後半は、調査を離れて、戦後社会論・若者論について社会学論壇で語られていることの概要をまとめてくれているので、頭の整理に役立った。
その中で紹介されていた上野千鶴子先生著作の「住居と外部の繋がり(P118)」というシンプルな図に、とても説明力があった。
著者は本書執筆動機を「未だに戦後黄金期モデルを信奉している世の中の皆さんに対して、それはもう終わったということを示したかった」と本書末尾で語っている。
「それはもう終わった」というのはまだコンセンサスになってなかったのだろうか。
自分的にはこれは常識だけど、世の中的には未だなっていないのかもしれない。この執筆動機にはちょっと驚くと同時に考えさせられた。
しかし、最後のSQセルフ診断をやってみると、自分は出現率0.5%を切るセグメントに分類されていることが分かったので自分の「常識」が世間の非常識なのだと思われる。