週刊東洋経済 2012年5月12日号 佐藤優連載「知の技法・出世の作法 第244回」

今回は「プーチン大統領に学ぶ出世の作法」という内容。最後が良かった。



ちなみに筆者は、外交官時代、仕事でSVR(ロシア対外諜報庁)の幹部と宗教や神について話し合ったことが何度もある。SVR幹部はKGB時代にマルクス・レーニン主義に基づく科学的無神論の教育を受けていたにもかかわらず、例外なく神を信じていた。


ソ連崩壊前後で、ほんの小さな要因が、出世の明暗だけでなく文字通り生死を分けることにもなったという経験をしているので、人知を超えた天命を信じるようになったのだ。


天命を信じる人は実力を最大限に発揮できる。


天命を信じる人は実力を最大限に発揮できる、という最後の一文がとても深い。天命を信じる人は出世できる、ではない。著者がプロテスタントであることからくる考え方のようにも思うが、葉隠の「武士道とは死ぬことと見つけたり」にも通じるものがあるようにも思う。



コンスタントに面白いこの連載。書籍にならないのだろうか。