Amazonに対する僕の複雑な感情
日本でも遂に発売されたKindle PaperWhiteの初回ロットを購入した。これを機に、Amazonについて思うことを整理しておきたい。
- 出版社/メーカー: Amazon.co.jp
- 発売日: 2012/11/19
- メディア: エレクトロニクス
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購買行動の変革を通じて小売業を破壊していくAmazon
今、世界中の企業の中で、もっとも注目すべきではAppleではなく、Amazonだと思う。リアルの小売ビジネスを根本的に破壊しかねない(既にしてるか)戦略に加えて実物インフラを持っているからだ。
実際に自分もAmazonで年間10万円以上の買物をしている。大半は書籍だが、最近はラジオとか風呂掃除用の棒とかペリエとか何でも買ってしまう。クリックは簡単で、それらすべて配送料無料で家に届く。特に、iPhoneにインストールした「アマンゾンアプリ」と「1-ClicKで買う」機能の組み合わせは最強というか最凶に近い。電車の中で眺めていて気に入ったものを衝動的に1クリックするという恐怖の購買をしてしまう*1のだ。今、現在こんなことをしているのは少数派だろうが、この流れはずっと広がっていくだろう。現在、Amazonの日本での売上は5000億円程度で、楽天が1兆円超程度らしいが、その利便性や一括バイイングパワーを考えると、Amazonはまだまだ伸びるであろう。生鮮とか自動車・住宅といった「Amazonで扱えないもの」以外を扱っている既存の小売ビジネスにとっては本当に脅威だと思う。
Amazonを率いる恐るべき経営者
Amazonという会社をウォッチングをしていてとても面白いのは、CEOのジェフ・ベゾスの戦略性に富む発言である。彼の思考の特徴は「長期で考えている(そして実際に投資先行で赤字でもへっちゃら)」ということと「顧客志向という点において全くぶれていない」という点だ。
象徴的なのは、自前のデバイス「Kindle」を激安で史上投入していることで、これについては「原価です」と自ら公言している。これは、電機メーカーにとっては脅威だろう。さらに、最近、アマゾンが原価割れでテレビを売っているという恐ろしい記事を読んだが、このCEOならやりかねない、と思わせるものがある。
Amazonにこれ以上伸びられてはかなわん、ということでヤマダ電機等の量販店がKindleを店頭販売しないことを決めた、というのはさもありなんであるが、根本的にこの流れに抗えるのか、事態は結構深刻だと思う。
日本国民として感じる問題点
もうひとつ気になるのは、Amazonの納税問題だ。自分は税務の専門家ではないので分からないが、こんな記事もある。
http://ameblo.jp/apple-mint-12/entry-11161663213.html これはAmazonに限ったことではなく外資系企業全般にある話だが、こういう企業を儲けさせて良いのか?という気がしないでもない。
まとめ
Amazonは消費者としては便利な存在だし、ビジネス戦略も秀逸で尊敬すべき存在だが、一方で日本の小売業(製造業)の破壊、税金問題などを考えると両手を上げて支持するのなのもどうなのか、という、僕にとってとても複雑な存在である。
(こういうのを記録しておいて2年後くらいに見ると面白いので自分のために記す)