タモリ論/樋口毅宏


タモリ論 (新潮新書)

タモリ論 (新潮新書)


私はタモリが結構好きだ。

タモリ倶楽部は必ず録画
徹子の部屋の年末最終回はタモリであることを知っており、これも大体録画して見ている
・昔出していたCDを借りてきて聴いたことがある
・著書「TOKYO坂道美学入門」を読んだ。この本のタモリのまえがき(キルケゴールハイデガーに言及している)は素晴らしい。
クイックジャパンタモリ特集も読んだ。(手元に無いのが残念・・)

というくらいのレベルのファンである。かなりのレベルなのか、素人に毛が生えたレベルなのかは分からない。


タモリも好きだし、樋口氏の小説も好きだし、という自分にとっては良い企画。

本書では、タモリの全体像を実証的・包括的に論じつくしているわけではない。(むしろ、タモリの業績活動のごく一部プラス個人的印象論だけに基づいている)という意味で、「タイトルだおれ、期待外れ」という意見・指摘もあろうと思う。が、著者も最初からそう断っているわけだし、自分としては楽しく読めた。

「絶望(というよりも、諦念だろう)」「孤独」「博多もん」としてのタモリ、という見方は、なかなか面白かった。そもそも、タモリの全体像を分析できる人など居る筈がない(と著者も認めている)。

本筋ではないのだが、序盤で、樋口氏が「お笑いについて語ることが如何に野暮なことか」について2〜3ページ論じているが、これは非常に自分にもよく分かる。お笑い、を別の言葉に置き換えて考えてしまった。