銀漢の賦/葉室麟

銀漢の賦 (文春文庫)

銀漢の賦 (文春文庫)

葉室さんは、直木賞を受賞した「蜩の記」が素晴らしかった。

その際にネット上で、葉室氏の最高傑作は「銀漢の賦」だ、というような書きこみを読んだのがきっかけで、久々の時代小説。

架空の藩を舞台にした人間ドラマ。最初人物名が乱舞してやや入りづらかったものの、途中からなんというか(2冊しか読んでない私が言うのもなんだが)葉室ワールド全開。真面目で不器用な人間が、世のしがらみで窮地に追い込まれ、それでも生き方を変えられず筋を通す・・・日本的といえば日本的な情緒なのかもしれないが、それだけに心に沁みる。

一遍の映画を見るようにあっという間に読めた。