僕がアップルで学んだこと/松井博


アップルに(本国含めて)十数年勤務した日本人ビジネスパーソンによる回顧録。

米国企業の内部実態のケーススタディとして、また組織改革のケーススタディとして、とても面白かった。自分など国内企業しか体験していないので、疑似体験の良い材料となる。ジョブズのアップルというと、とても特別なもののように感じてしまうが、この本を読む限り、組織運営という点では、僕がこれまで他の書物等から仕入れてきた「米国企業経営」という範疇から大きく変わるものではない。ただし、デザインやシンプルさへのこだわり、プロダクトラインの大胆な集中を実行できたこと、などがアップルの卓越さなのだろう。

アップルでの熾烈な経験を経た著者が、読者に対して提言する内容に、「健康に気をつけて、特に早起きは大事だ」「職場や家を清潔にせよ」というのが含まれてる。これって日本の製造業の美徳だよな・・と思いながら読んだ。