帝国以後 アメリカシステムの崩壊/エマニュエル・トッド
- 作者: エマニュエルトッド,石崎晴己
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 2003/04/30
- メディア: 単行本
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社内での勉強会*1の課題図書として指定されたので、先週からこの本を読んでいる。(そうでも無ければ、流石になかなか手に取らない類の本ではある。はるか昔に『銃・病原菌・鉄』を読んで以来に近い。)
本書の論というよりも、このフランス人研究者:エマニュエル・トッドの論には、(自分が理解できているかはさておき)知的好奇心を刺激される。
その論とは、人類社会の長期変動を「識字率」と「受胎調節(家族計画ってやつですね)」という二つを軸に鮮やかに描いてみせるもの。どこの社会でもこの二つをカギに横断的に分析してみせる。こういう構造主義チックな分析手法は個人的には大好きです。
通常、人類社会の長期変動は宗教とか技術とか地政学により説明されることが多いけれども、この人は、むしろそうした説明法にハッキリ批判的。本書の中でもハンチントンの「文明の衝突」とかフクヤマ「歴史の終わり」とかを実名を挙げて否定している。
本書を読む前にwikiを読んだだけで、かなり圧倒された。というか、むしろ先にwikiでこの程度の知識を仕入れてから、本書を読むという順番が理解のためには良いように思える。
具体的な内容については、勉強会も踏まえ、別途時間のある際に掘り下げて消化したい。
*1:どんな勉強会だ!という突っ込みはさておき