明日のリーダーのために 葛西敬之

明日のリーダーのために (文春新書)

明日のリーダーのために (文春新書)


出たばかりの本。タイトルにも興味あり、著者にもひかれて、購入して読む。幼少期*1からどういう教育を受け、経験をしてきたかという通史的な記述でこれはこれで良いのだけれど、この本を読んで改めて思ったのは、やっぱり葛西氏が国鉄改革を活写した↓の本はすごかったということ。本書の末尾にもリーダーのための読書リストが載っているけれど、むしろ、ご自身の著書である↓を載せるべきだと思う。

未完の「国鉄改革」―巨大組織の崩壊と再生

未完の「国鉄改革」―巨大組織の崩壊と再生

2001年に発売された↑は、とても「凄い」本だ。アマゾンで7件くらいしかレビューがついていないのは明らかに過少評価だと思う。自分がこの本を読んだのは、2009年だったけれど大いに圧倒された。普通だった名実ともに「殺される」くらいの行動(社内での守旧派との対決、武力すら背景にもつ組合との対決、政治家まで巻き込んでの越権行為的なロビイング活動)を取り続け、しかも失脚もしなかった著者とは何なのか?と興味を持ったものだ。

下の方の本は、万人受けする本ではないかもしれないけれど、大企業官僚組織と真剣に格闘する人であれば、上の新書よりもぜひこの「未完の国鉄改革」をオススメしたい。


余談

たしか「未完の国鉄改革」には記述の無かったような気がする(あくまで気がする)、「妻への感謝」が新書の方には明記してありましたね。

*1:なんと、葛西氏の通った中学校の学区は今、自分が住んでいるところと同じだった、とか、お父様の施した教育とか、印象に残る点あり。