子供のしつけと経済学

日本経済新聞5月4日朝刊の経済教室に面白い論文があった。子育て中の親として、組織人事コンサルタントとして、どちらの立場からもすごく気になるものだ。

子供のしつけ―経済学で 「将来消費」の割引と相関 大垣昌夫 慶応義塾大学教授
甘い親は「今」を重視 宗教・世界観で日米格差も

(抜粋)

 我々の研究では、しつけの際、親が子供の将来の幸福を願って、子供にとって現在は苦しいことも容認するということをタフ・ラブと考えている。タフ・ラブを持つ親は子供を甘やかさないで、手を放して厳しく見守る。タフ・ラブにはいろいろな要素があるが、われわれは伝統的経済学や行動経済学、心理学の研究をもとに「時間選好」にかかわる要素に注目している。

 時間選好とは、人が「現在と将来」のような異時点間の消費や余暇について、どのような好みを持っているかということである。ほとんどの人々には、現在の消費を将来の消費よりも重視して、将来の消費から得られる効用を割り引いて評価する傾向がある。このことを「時間割引」といい、割引の割合を「時間割引率」という。

 時間割引率の低い人は、忍耐強く、満足を後回しにすることを比較的苦にしない。時間選好のもうひとつの重要な要素は、苦しいことは先送りして、今、楽しみたいという誘惑に対して自制することができるかどうか、ということである。


 この時間割引率の概念は、キャリアを考えたり、あるいは企業そのものの経営戦略・経営行動を考える上で、大変興味深いものである。


 ビジネスマン生活も10年を超えると、確かに時間割引率の低い人の方が、キャリア形成において、シュアな成果を出しているような気がする。

スカイツリー周辺は大変な混雑


 子育てといえば、ゴールデンウィークのある日、隅田公園へ出掛け、どちらも成長中の「東京スカイツリー」と「息子」を同じフレームに写真に収めるということをしてきた。完成したら、また同じ場所に撮影にいく予定。我ながらナイスアイデアと思っていたら、皆考えることは同じようで、予想以上に強烈な人出だった。