風の歌を聴け/村上春樹

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)


村上春樹のあまりにも有名なデビュー作。本書の冒頭に、このようにある。

この話は1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終る。


ここ何年間か毎年、この日付の期間のうちに一度、読むようにしている。結果、これが小説の中で、自分として、一番、回数を読んだことになる。短いので一日で読める。なんだかんだで、三冊くらい持っている気がする。


20代前半に読んでいた頃は、純粋に憧れていた。本書の名シーン・名ゼリフを書き付けるほどに嵌った。


大学生の頃から読んでいた小説を、サラリーマンになり、「子連れで夏休みに帰省」とかいう当時からしてみれば、信じられない所帯じみた行動をする立場になっても、まだ読んでいる。


今は読んでいて「キザだね〜。リキんでるよね村上春樹も…」などと思わないでもない。


でも、やはり、この小説は凄い。凄過ぎる。天才のデビュー作は他とは全然違う。