ある考察

よくクリティカルシンキングが必要だ、と言われるけれど、そのためには、MECEな分類やロジックツリーが書けることに加えて、自分の頭で問いを立てて物事を考えるという姿勢が必要だ。

そして、そのためには、当然十分な「基本的な知識」も必要になる。単に地アタマが良いだけでは不十分だ。

改めて整理すると、ロジカルシンキングのスキル+(受身に徹するのではなくて)自分で問題を立てて考えるというマインド+知識の三つが必要だということ。

そんな人に成れれば良いと思うけれども、なかなか難しいし、そんな人居るの?と思うことも少なくない。

でも、以下のブログで披露されている考察はそんな人がする思考の軌跡の一つの実例であると思う。

■[金融]高利貸が取ったカネはどこに行ったのか。

 引き続いて武富士の話である。過払い問題の本質は、利息制限法で規定される金利以上に借り手が過去払っていた金利の返還である。武富士の全過払い債務は1-2兆円だという報道が出ていたが、この幅広いレンジに戸惑うものの、年間1000億弱のキャッシュアウトがここ数年続いている事からすれば、感覚的にはそんなものだと思う。武富士の2010年6末の利息返還引当金は2100億だから、概ね10-20%を引き当てている計算だ。仮に、全過払い債務を中心値の1.5兆円とすると、武富士自己資本は1500億であり、2100億の引当を充当しても、単純な引き算では1.14兆という天文学的マイナスになる。もう少し精緻に計算するには税金の要素が必須だが、今後武富士が利益をじゃんじゃん上げられるとは思えないけれど、仮に40%の税効果が使えたら、6200億ちょっとの債務超過である。税前ベースに直すと1兆円ちょいだ。武富士が一旦利息として受け取った金額の内、1兆円が会社に残っていない。このカネは果たしてどこに行ったのだろう。

(続きは)

http://d.hatena.ne.jp/bohemian_style/20100929/p1#tb

これは実は、昔からの友人のブログなのだけど、おお凄い、面白いなあ、と思った。

ちなみに、コンサルタントとしては、こういう人にクライアントとして対峙されると本当に大変です。

でも、振り返れば、今までも何人もこうした人に鍛えていただいて、こちらも伸びられたのかな、と思ったりもします。