競争と公平感 大竹文雄

このブログでも推奨として4月ごろにご紹介*1した大竹文雄先生の「競争と公平感」が、週刊ダイヤモンドの経済学者・経営学者・エコノミスト162人が選んだ2010年の『ベスト経済書』で1位を獲得。

小泉改革以降、新自由主義的思考は厳しく批判され、福祉国家論が流行り、政権交代も起こった。そうしたパターナリズム一辺倒とは一線を画し、健全な「競争」の必要性を説いた本書が、この玄人筋が選ぶランキングで1位になるとは、また時代の潮目が変わっていくことの先触れかもしれないと思う。

話は変わって、12/14の日本経済新聞朝刊、大機小機(匿名*2のコラム)は、隅田川という方が執筆していたが、ひょっとして大竹先生かな、と思った。刺激的なコラムでした。以下ポイントの要約。


タイトルは、「真の弱者と真の格差」

(大まかな要約)

今の日本には、極めて明確な社会的弱者が存在する。

それは、若者であり、これから生まれてくる者たちだ。

彼/彼女たちは意思決定に参加することもできないままに、膨大な借金を背負わされ続けている。

社会的弱者の救済、を説くのなら、この層への責任をどう考えるのか、が、現役世代の避けられない務めだ。


まさに、そうだと思う。

政治家は発言の揚げ足取り合戦をするのが仕事ではないはずですが・・・。

*1:http://d.hatena.ne.jp/hiroki_nato/20100417/1271489718

*2:匿名なんだけど、日経電子版の導入により、ペンネームでソート検索みたいなことが出来るようになってしまった。これで並べてみると、見る人が見れば誰だかすぐ若ってしまうだろう。紙媒体の時には無かった細かい変化だ。