佐々木常夫さんの講演を聞きました

勤務先会社主催の講演会があり、前から機会があれば生で聴きたいと思っていた前東レ経営研究所社長、佐々木常夫さんの話を聴くことが出来た。



このブログでの著書紹介



僕は、佐々木さんの本は有名になる前から何冊も読んでいた。しかし、やはり実際に聴くことでまた気づきが深まる。だから著者講演会というのは結構好きで、過去も色々行った。*1これは、ぜひ皆さんにもオススメしたい。


さて、佐々木さんの思想は、個人的にはほとんど大賛成だけど、実は、毒が含まれているようにも感じていて、その毒が講演を聴くことでよく分かってきた。それは、自らが、「仕事も家事も出来るスーパーマン」になることで、問題を解決しているようにも感じられるところ。

もちろん、佐々木さんも「自分で抱え込まずに人に頼れ」という基本的なメッセージを発して、「頑張りすぎ」の弊害には警鐘を鳴らしている。

しかしながら、「仕事で成果を出して、家事もやる」というのは余程のキャパシティが無いと難しいことですよ…。通常、どちらかだけでも、結構難しいんではないのかな。(ブラックなものいいになるけれど、「家事やらなくてイイから仕事で成果だせ!」と言われたって、そうはできない人も多いでしょう)これが出来ない人をどう認め、承認していくか、というところに対する答えが、佐々木さんの講演の中ではあまり語られない。自分がスーパーマンになるためのヒントは沢山くれるけど。


でも、すべからく思想なんて毒を含んでいなければ面白くはないわけで、佐々木さんの思想はすごく魅力的だと思う。


そういう毒も含んだものとして、取り入れるべきところを取り入れて、自分の頭で咀嚼して活用していく事が大事なことで、それこそが佐々木さんの本望だとも思う。それだけに、佐々木さんの思想や行動を「目指すべきロールモデル」と無批判に受け取る風潮があるならば危険だとは感じた。


あとは講演で印象に残ったのは「運命」に対する考え方の部分。「運命を受け入れ、成功するかどうかに価値を置かず、勤勉に励め(たまたま成功したからといって得意がるもんじゃないよ)」というところ。去年あたりに有名になったある人の思想が持っている毒に対する佐々木さんのカウンター攻撃を披露してくれたところ。


僕も、ちょうど、2児を抱える共働きになったので、色々感じるところがあり、大変有意義な講演会だった。



部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~

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*1:テレビで有名になる前の茂木健一郎氏とか、マボロシの・・といわれるミステリー作家の原寮などが思い出深い…