1月17日 日本経済新聞 経済教室 「個人主義と経済の関係は?」

大竹文雄先生の論説。大変興味深い。文化や宗教と経済学の接点は、個人的にすごく興味のある分野。個人主義が強い国ほど、経済が発展している、というかなり学術的にも信頼度のありそうな研究が紹介されていた。



加えて、1月17日の朝刊では、三宅編集委員の一目均衡というコラムもすごく面白かった。モルスタのエコノミストロバート・フェルドマンによる「日本はなぜ変われないかのか」という分析が紹介されている。それは、日本人全体が変わりたくないのではなく、日本の選挙制度上、一票の格差により地方選挙区の老人が圧倒的に歪んで大きな力を持っており、現状維持を積極的に望んでいるその層に日本の政治が動かされているから、という分析である。格差を縮める選挙制度改革が、日本の構造改革のセンターピンかもしれない、という…、かなり核心を突いた論点だと思う。



自分は、日本経済新聞はデジタル版も購読しているので、こういう気になる良記事はすぐに電子的にクラウドクリッピングしておけるようになり、すごくラクになった。



日経新聞についてついでに書くと、最近の日本経済新聞は今年の年初から「グローバル化せよ」「若者は内向きだ」と説教臭くて読んでいて腹が立つ。日経新聞が、かつて説教調で主張した「株主重視経営」も「成果主義」も、10年くらい経つと大分廃れた、という経験に学ぶ必要があるのではないか、と思う。大体一面の左側の連載は、少しおかしいと思う事が多い。