POSSE vol.9 もう、逃げ出せない。ブラック企業
- 作者: POSSE
- 出版社/メーカー: 合同出版
- 発売日: 2010/12/10
- メディア: 単行本
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萱野稔人×濱口桂一郎 「これからの「労働」の話をしよう」という対談記事が面白かった。
濱口先生(むしろhamachan)のブラック企業(の背景となる)イデオロギー誕生の理路の解説は大変興味深い。
日本の大企業は「働き方はブラックだけど、ブラック企業ではない」というステートメントから始まる理路の解説、勉強になった。
先生のご発言を自分用にまとめておく。
・中小企業には、大企業ほどの雇用保証は実際には無い。
・しかし戦後日本には「労働者は滅私奉公すべし」というイデオロギーが中小企業を含む射程に拡散した。
・その理由は、二つ。一つは「判例法理」、一つは「日本人(美化)論の流行」。
・一方で、そういった社会へのアンチテーゼとして「会社人間批判」と「新自由主義的イデオロギー」がないまぜになり
、「会社に頼らず利益を稼ぐガンバリズム人間を至上(典型はベンチャー企業経営者)」とする価値観が誕生。これがブラック企業の背景にあるイデオロギー。
・大企業を否定しようとしたところから、別のブラック企業イデオロギーが誕生するという皮肉。
なるほど…。