クレイマー・クレイマー(1979年 米国映画)


ダスティン・ホフマンメリル・ストリープが共演し、アカデミー賞主要5部門を受賞した名作。結婚8年目にして妻に家出されてしまった仕事第一の男テッドが、翌日から家事や息子の面倒に追われる様子をコミカルに描くヒューマンドラマ。


時々、子持ちの男性が「今日は奥さんが出掛けたんで、クレイマー・クレイマー状態だよ」なんて言うのを聞く。男親が一人で子供の面倒を見る、という意味で使われる言葉だ。

僕は実際にはこの映画を見たことが無かった*1ので、思い立って実際にDVDをレンタルして見てみた。

確かに、アカデミー作品賞を受賞するだけの価値がある名作だと思う。主演男優賞ダスティン・ホフマンがとにかくカッコイイ。たぶん、今これを見てる僕と当時同年齢くらい。息子の年齢も遠からずで、ちょうどいい時に見たと思った。




ただし、最近、涙腺緩み気味の僕だが、この映画は泣かずに見れた。*2というか、そもそもこれは、単純なお涙ちょうだいの作品ではない。通常は「親子愛」、特に「父と息子」を描いた映画だと評価されているようだけど、僕はこれはアメリカ社会を描いた映画だと思った。

1979年の話なのに、人材紹介会社やメンタルカウンセリングがストーリーの中に当然のように出てくる。そして後半はアメリカ社会お約束のえげつない裁判。そして、日本的感性からはちょっと理解しがたい結末部分なども、徹底して「アメリカのハードな個人主義」だ。主人公夫婦の両親も全く描かれていないのも一つのメッセージだろう。

ダスティン・ホフマンが当時実際に離婚係争中だったというのも驚き。離婚係争中でこの神がかり的な演技とは畏れ入る。



特に男性で、今、30代、息子が居る人は、今のタイミングで見ると良いと思います。

それ以外の人でも、ダスティン・ホフマンの神演技は一見の価値あり。

*1:実際は、そういう人が多いかもしれない

*2:この映画のダスティン・ホフマンに似ている知人のことがずっと脳裏に浮かんだからか?