「権力」を握る人の法則/ジェフリー・フェファー


「権力」を握る人の法則

「権力」を握る人の法則

(アマゾンより)

なぜあなたは「権力志向」になるべきなのか?
 あなたは出世について勘違いをしていませんか?
「業績トップだから出世する」
「ご機嫌取りなんて必要ない」
「頭がいいから大丈夫」
……これらは大きな間違いです!

 立身出世して、人の上に立ち、強大な「権力」を手にするためには、何を、どうすればいいのでしょうか?
 コネの作り方から、人脈の開拓法、権力者らしい話し方、周囲の評判を上げる方法、不遇の時代のやり過ごし方まで、「権力」を握る人の諸法則と、頂点に上り詰める人の「7つの資質」を、スタンフォード大学ビジネススクールの著名教授が長年の調査研究をもとに明らかにしました。


ジェフリー・フェファーというと、HRM業界では知られた米国ビジネススクールの人材マネジメント研究者。

あくまでHRMの研究者だ、と思っていたら、こんな「ハウツー」的本も出版していた。自分が知らなかっただけで、このような系統の本も3冊目らしい。


序章に書かれた問題意識が面白い。ざっくり大意を要約してみる。

「リーダーシップ論、とか大体綺麗事過ぎて、ちゃんちゃらオカシイよね。そもそもレベル5リーダーなんて殆ど居ないしさ。誰しも、組織に入る以上、出世して権力を手に入れたいだろうし、それは悪いことではない。そもそも出世競争は、組織がヒエラルキーである以上、必要悪であって忌み嫌うべきものではない。そして、出世というものは頭の良い人や人間性の素晴らしい人がするのではなくて、出世する用の振る舞いがあって、それを実行した人がするんですよ」

という感じ。

実際にビジネススクールで「権力への道(path to the power)」という授業で教えているそうである。


で、本書に掲載されている方法だが、著者自身認めている通り、「どれも些細なこと」である。

「第一印象良くしろ」とか「引っ込んでないで、重要な場面ではアピールしろ」とか「上司を誉めたり、貸しを作ったりしろ」とか・・・・。

なんか、その辺の自己啓発本と変わらないようなしょうももない内容が多い・・・・。スタンフォードの教授が教えることかよ・・・とも思う。良く言えばアメリカにもこういう「人間学」的なものがあるんだな〜というのが収穫か。


安い本ではないので、お金出してまで買って読む必要あるか、と言われると微妙だが、問題意識のつけどころや、米国組織内での人間くさい出世闘争事例などが面白いので、興味のある方は手にとって見ると良いと思う。


フェファーといえば、恩師が翻訳している下の本が有名なんだけどな…。

人材を活かす企業 (Harvard Business School Press)

人材を活かす企業 (Harvard Business School Press)