システム障害はなぜ二度起きたか――みずほ、12年の教訓 [単行本]/日経コンピュータ


システム障害はなぜ二度起きたか みずほ、12年の教訓

システム障害はなぜ二度起きたか みずほ、12年の教訓


2011年3月の震災後に起きた、みずほのシステム障害を分析した書籍。
あのトラブルをシステムの問題よりも「経営」「組織」の問題として分析している。
気になったのでパラパラと読んでみた。



単なる暴露本や非難本ではなく、書き手の真摯さも感じられる、バランスの良い本だと思う。




問題の根本には古くなりすぎた勘定系システムを引っ張って運用してきてしまったことがある。

よく、経営陣がシステムの重要性を理解していない、というような紋切り型の批判があるがそれは違うし、m三行の足の引っ張り合い、というよくある話も正しくない、と本書は言う。



みずほの経営陣はシステムの重要性を理解していなかったわけではない。

しかし、経営陣は勘定系の古いシステムを変えるにはどうしたら良いのか具体的な方法を知らなかったし、知る意欲もなかったし、下もそれを経営陣に知らせられなかった。ここに最大の問題がある。という風に本書は総括している。経営陣こそがカギであるのに、同行が発表した再発防止策に「役員」というキーワードが「役職員」という一箇所にしかないことに疑問を呈していたが、鋭い指摘だと思う。


実力あるCIOをどう作るか、というあたりの議論も面白かった。