これが「教養」だ/清水真木
- 作者: 清水真木
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04
- メディア: 新書
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前から入手していたのだが、先の連休中に旅先にて読了。
かなり私の個人的な趣味に走っていることを前提として言わせてもらうと、とても素晴らしい本だった。
タイトルが挑発的だが、教養に「」が付いているところがミソだ。
日本の企業人、特に大企業で働いている人々や経営者クラスにもなると、漠然と「実利的な事はさておき、教養が無いといけないよな〜」という気持ちになるケースが多いと思う。
しかし、そもそも何故、そんな気持ちになるのか。
そして教養とは何なのか。
これらの疑問に、本書はかなり的確に応えてくれた*1。
著者の脳内にあるハイレベルな知の果実を、たったこれっぽっちの値段で分けて貰えるなんて、とても有難い。
抜粋して記憶に定着させたいフレーズがたくさんあったのだが、徐々にやっていく。
一箇所だけ「あとがき」より。
ヨーロッパの精神史と申しますのは、今日の日本、そして、日本人の歴史的な位置というものを理解する上で、知らずに済ますことの許されないものである、こう私は信じております。
現代の世界には、西洋的なものの考え方に隅々まで支配されており、誰もが否応なくこれを引き受けざるを得ない、という側面があることは、どうしても否定できないからであります。
*1:と、いうわけで、本書はこういう疑問を日頃感じていない人には、あまり面白く無いのかもしれません。