「歴史」を動かす 東アジアのなかの日本史/小島毅
- 作者: 小島毅
- 出版社/メーカー: 亜紀書房
- 発売日: 2011/08/02
- メディア: 単行本
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個人的な関心で歴史の勉強を続けているが、(また)素晴らしい本、というか著者に出会った。
本書は読んでいてとても刺激される本だった。
「歴史」(事実)と「歴史叙述」は違う、ということを実例を挙げて語った講演録である。
こんなこと、僕も、頭では分かっているつもりだったが、著者の博学で真摯な語り口から、目からウロコというかたちで再認識できた。
「司馬遼太郎」が大天才で偉大な作家であることと、彼が歴史を正しく語ったかは別、ということだ。
どこの国でも、いつの時代でも、歴史叙述は、あとから勝者が書いてしまう。
このことを強く心にとめないで、歴史を語ることは避けるべし、と肝に銘じた。
特に著者が、天皇制の歴史、特に南北朝問題を語るあたりは、結構スリリングに感じた。単に事実を客観的に語っているだけなのに、スリリングに感じてしまうあたりが、また問題なのだろうけど。
既に著者の他の本を入手して読書中。