ここは退屈迎えに来て/山内マリコ

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

地方都市に生まれた女の子たちが、ため息と希望を落とした8つの物語。フレッシュな感性と技が冴えわたるデビュー作は、「R‐18文学賞」読者賞受賞作「十六歳はセックスの齢」を含む連作小説集。


久しぶりの純文学読書。ラジオで推薦されていて興味を持った。現代日本の「地方都市」の若者(10代から30代まで)のリアルというところに惹かれた。

「東京だけが輝いていて、自分の回りには田んぼとコンビニとイオンとニトリしかない絶望感」のようなところの描写は、確かにそうなんだろうな、と思わせたが、全体としてはなんか軽く終わってしまっている感じがして、この主題でもっと深く行って欲しかった気がした。地方女子の怨念なら、林真理子のそれに既に触れたことがあるのでインパクト不足に感じたのだろうか。