あぶない一神教/橋爪大三郎・佐藤優

  

 

あぶない一神教 (小学館新書)

あぶない一神教 (小学館新書)

 

 

 

僕はもともとこのお二人のファンで著作をそれなりに読んできた。だから、それほどこの本には目新しい情報は無かったとも言えるが、この日本を代表するプロテスタントの知の巨人お二人の対話が実現した、というだけで価値がある。(プロテスタントは、自分と神の関係にしか基本的に興味がない、と本書にも書かれていることから、このお二人もそうなのだとは思う)

 

ただ一つ、橋爪先生が、日本ではルター派の教会に所属していて、アメリカではユニテリアンという派の教会に通っているというあっさりと書いてあったのには結構驚いた。「ユニテリアン」という派については僕は初めて知ったが大変興味深い。この点、勉強を深めたい。

 

本書の主題、一神教についての理解や、キリスト教と資本主義の関係などについては、入門書として最適の一冊だと感じた。イスラム教についても結構語られているが、あくまでキリスト教者目線なので、この点についてはイスラム信者中田先生の本も併せて読むと良いと思った。

 

世界の40億人近くが「一神教」なのだから、一神教を信じるかどうかは別にして理解は必須、という本書の根本メッセージはまさにその通りだと思う。

 

僕は幸いなことに、橋爪先生からは直接なんども世界の宗教についてのレクチャーを受けたことがある。そこで言われたメッセージとして「聖書を(少なくとも)英語で読まないと知識人とは言えない」というものがあり、これが「出来ていない宿題」として自分の心に残っている。そろそろ英語の聖書を買ってこないといけいない。