哲学とデータ

また、橋爪先生の講演会に行って来ました。

本題は、「地球レベルでの正義とは」というもので、哲学と社会学を兼ね合わせた議論があり、それはまた考えさせられる内容だったのだが、それはさておき、余談の中で印象に残った言葉をメモしておきます。

世の中の人間*1は二種類に分かれる。


哲学の好きな人、と、データの好きな人。


残念なことは、


哲学の好きな人は、データを持たない。


データが好きな人は、哲学を持たない。


これを両方持つと有意義な仕事が出来るのだが…。


これは、心に残りました。確かにそうだよなぁ。


思い当たるフシがありまくります。。。

*1:世の中の人間は、というとちょっと大げさかもしれません。研究者には、とか、コンサルタントには、くらいだと、ズバリはまる気がします。

子供は社会からの「預かり物」

多少、有名な言い回しのようですが「子供は社会からの預かり物」という言葉あることを今日知りました。

芸能人とかが結婚記者会見とかで言う「授かりもの」ではなくて「預かりもの」。

一時的にお預かりし、社会に還(かえ)す。という考え方でしょう。

なんか、すごくピンと来る言葉なので忘れないようにメモ。





あと、これを機会に書いておくと「イクメン」とかいう官製運動は、恥ずかしい。

丸善丸の内店にて

一番、通っている回数の多い「丸善丸の内オアゾ店」に最近行ったときに気づいたり思ったりしたこと。




不都合な相手と話す技術 ―フィンランド式「対話力」入門

不都合な相手と話す技術 ―フィンランド式「対話力」入門

↑そもそもこの本を探しに行ったのに、無かった。この本、尊敬する北川先生の連載をまとめたもので、発売をまっていたのに、発売されていたことに気付かなかった。自分が悪いのか、東洋経済の宣伝が足りないのか…。いずれにしろ、改めて詳しく紹介したい。





↑この、戦略大好きコンサルくん御用達の雑誌、何気なく手にとってみたら、巻頭インタビューがなぜか、コンサルティング・戦略とは全く縁遠いと思われる作家の奥田英朗先生。でも僕は奥田英朗が大好きなので、嬉しかった。このインタビューでも面白いことをおっしゃっていた。奥田英朗についてもいつかまとめて紹介してみたい。







残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)

残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)

↑もう旬は過ぎたのかもしれませんが、売れているようです。まだまだ棚に並んでいました。先日、電車の中で、キャリアウーマン風の女性が本書を読んでました。カバーも掛けずに。熱心に読んで線を引きまくっていましたが、なんとなくその姿が残念だったような。

グローバルビジネス

人事コンサルティング業界は「グローバルHR」というテーマが真っ盛りでありますが、最近、外資系の日本法人社長を複数歴任された歴戦の国際派ビジネスマンの方と「飲み」の機会がありました。

色々と体験に基づくオモシロ話を聞かせて頂いたのですが、印象に残ったのは、「日本人のビジネスマンでちょっと自信あるやつに限って、すぐに外国人に対して、We Japanese ・・・、とか But in Japan, ・・・ と言って説明しだすけれど、あれは良くないんだよね。」というお言葉。

ちょうど、1ヶ月前に久々に英語で外国人ビジネスマンと話す機会があったのですが、なんと、私、モロに何度もそのフレーズ言ってました(汗)。以後気をつけようと思います。

ノーベル平和賞と08憲章と普遍主義

ノーベル平和賞に、中国の反体制作家、劉暁波氏が選ばれたということがニュースになっている。

ちょうど今、個人的に参加している勉強会で「西洋的普遍主義」について検討している最中でもあり、構造主義とか相対主義とかをもう一度勉強しなおしているところだった。

難しいことはさておいて、同氏は、以下の文章を発表したことにより「国家政権転覆扇動罪」で懲役11年を受けている。

どんな過激文書かと思ったら、過激でもなんでもない内容であることにビックリした。

二、我々の基本理念

 中国の将来の運命を決めるこの歴史の岐路に立って、百年来の近代化の歴史を顧みたとき、下記の基本理念を再び述べる必要がある。

自由:自由は普遍的価値の核心である。言論・出版・信仰・集会・結社・移動・ストライキデモ行進などの権利は自由の具体的表現である。自由が盛んでなければ、現代文明とはいえない。

人権:人権は国家が賜与するものではなく、すべての人が生まれながらに有する権利である。人権保障は、政府の主な目標であり、公権力の合法性の基礎であり、また「人をもって本とす」(最近の中共のスローガン「以人為本」)の内在的要求である。中国のこれまでの毎回の政治災害はいずれも統治当局が人権を無視したことと密接に関係する。人は国家の主体であり、国家は人民に奉仕し、政府は人民のために存在するのである。

 平等:ひとりひとりの人は、社会的地位・職業・性別・経済状況・人種・肌の色・宗教・政治的信条にかかわらず、その人格・尊厳・自由はみな平等である。法の下でのすべての人の平等の原則は必ず実現されなければならず、国民の社会的・経済的・文化的・政治的権利の平等の原則が実現されなければならない。

 共和:共和とはすなわち「皆がともに治め、平和的に共存する」ことである。それは権力分立によるチェック・アンド・バランスと利益均衡であり、多くの利益要素・さまざまな社会集団・多元的な文化と信条を追求する集団が、平等な参加・公平な競争・共同の政治対話の基礎の上に、平和的方法で公共の事務を処理することである。

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全文も知性が感じられて感動的、というような印象もある。ぜひ興味のある方は全文を読んでいただくと良いと思います。

08憲章 全文


もちろん、自由・人権といった西洋起源の概念が無条件に優れていると考えるべきではないが、それにしても、これ書いて「国家反逆扇動罪」というのは…。

日本は、なんと素晴らしい国であることか。

その事を日本人自身がよく自覚することが必要だ。

ある考察

よくクリティカルシンキングが必要だ、と言われるけれど、そのためには、MECEな分類やロジックツリーが書けることに加えて、自分の頭で問いを立てて物事を考えるという姿勢が必要だ。

そして、そのためには、当然十分な「基本的な知識」も必要になる。単に地アタマが良いだけでは不十分だ。

改めて整理すると、ロジカルシンキングのスキル+(受身に徹するのではなくて)自分で問題を立てて考えるというマインド+知識の三つが必要だということ。

そんな人に成れれば良いと思うけれども、なかなか難しいし、そんな人居るの?と思うことも少なくない。

でも、以下のブログで披露されている考察はそんな人がする思考の軌跡の一つの実例であると思う。

■[金融]高利貸が取ったカネはどこに行ったのか。

 引き続いて武富士の話である。過払い問題の本質は、利息制限法で規定される金利以上に借り手が過去払っていた金利の返還である。武富士の全過払い債務は1-2兆円だという報道が出ていたが、この幅広いレンジに戸惑うものの、年間1000億弱のキャッシュアウトがここ数年続いている事からすれば、感覚的にはそんなものだと思う。武富士の2010年6末の利息返還引当金は2100億だから、概ね10-20%を引き当てている計算だ。仮に、全過払い債務を中心値の1.5兆円とすると、武富士自己資本は1500億であり、2100億の引当を充当しても、単純な引き算では1.14兆という天文学的マイナスになる。もう少し精緻に計算するには税金の要素が必須だが、今後武富士が利益をじゃんじゃん上げられるとは思えないけれど、仮に40%の税効果が使えたら、6200億ちょっとの債務超過である。税前ベースに直すと1兆円ちょいだ。武富士が一旦利息として受け取った金額の内、1兆円が会社に残っていない。このカネは果たしてどこに行ったのだろう。

(続きは)

http://d.hatena.ne.jp/bohemian_style/20100929/p1#tb

これは実は、昔からの友人のブログなのだけど、おお凄い、面白いなあ、と思った。

ちなみに、コンサルタントとしては、こういう人にクライアントとして対峙されると本当に大変です。

でも、振り返れば、今までも何人もこうした人に鍛えていただいて、こちらも伸びられたのかな、と思ったりもします。

アマゾンキンドル3(amazon kindle3)を買ってみた

思い立って、アマゾンU.S.A.から、日本では未発売のキンドル電子書籍リーダー)を買ってみた。大体のガジェットは、ある程度評判を見極めてから買うのだけれど、今回はかなり「early adaptor」な気がする。今、円高なので結構安いです。

せっかくなので感想を…つれづれなるママに。

  • 電子インクのディスプレイは目が疲れない。液晶とは全然違う。百聞は一見にしかずだった。眺めていたいのは電子インクのディスプレイだなという感想。
  • 通信料を個別にはチャージしないという、アマゾンのビジネスモデルは凄く斬新。
  • やっぱりキンドルで買う本は安いなあ、という感じで、普通のアマゾン以上に「ポチっと」買ってしまう。
  • ブラウジングも出来てしかも通信料無料というのは凄いなあ。ただし、ブラウザとしてはそれほどでもない。
  • PDFなども見れる。メールで送信する方法もあるし、操作は凄いラク。
  • ガジェットとしての質感・大きさ・重さなどは凄く良い。
  • 英語を読み上げる機能も、自動的に単語別に辞書がポップアップする機能もあり、これは凄く便利。英語学習に向くデバイス。
  • 本を読む端末としてはiPadより良いと思う。
  • 本の文章にハイライトが出来る。そして他の読者がどこをハイライトしているかも共有できる。ただし、ハイライトする操作性はあまり良くない。
  • 周りにキンドルの端末を見せると、半分以上の人が画面をタップして操作しようとする。(キンドルの画面は操作をする機能を持っていない)iPhoneの流行はハンパではない。
  • そして肝心の読書体験の質だが、自分は英語のビジネス書を配信で買ってキンドルに入れて読んでみたが、目次というかストラクチャーが確認しづらい印象はある。論理的な本は常に全体のストラクチャーを確認しながら読んでいく癖を自分は持っているのだということに改めて気づいた。こういうタイプの読書だったら紙の方が良いのだろう。一方で、ストーリーを順に追っていけば良い読書(今、自分が好きな作家でいうと、奥田英朗とか伊坂幸太郎とか今野敏とか)には向いているように思う。
  • といった経験から、電子書籍に全て置き換わるのではなく、読むモノの目的別に媒体を使い分けるのかな、という将来像が垣間見えた気がした。
  • あと、これ、日本語版がリリースされたら(年内という噂?)間違いなく大ヒットして品薄状態になると思われます。

注:今は英語版しかありません、登録や操作方法も全て英語です。