W杯カメルーン戦後のオシム監督コメント

オシム監督ファンとして、しばらくこの路線でブログを続けようかと思う。W杯、カメルーン戦後のオシム氏のコメント。

本田圭佑は本来、FWの選手ではないが、自分の専門外の役割を勇気を持って受け入れて、特に戦術面で与えられた役割を見事にこなしたと思う。つまり、勇敢であるということはコンプレックスを持たずにプレーしたということだ。そして、その勇気のご褒美として、あのゴールが生まれたのだと思う。もしかしたら、次の試合で岡田武史監督は本田にセンターバックをやれと言うかもしれないが、その場合でも本田は喜んでやると思う。大事なのは、どんなポジションのどんな場面でもクレバーにプレーすること。

オシム氏が過去から、一貫して主張する「リスクを取って勝負せよ」ということを本田が実践したということか。会社で言うならば、「自分は本来、営業ではない」、とか、「自分は本来、管理畑ではない」というような事でグダグダいうな、と言うことだろう。

もう一つ。

――カメルーンは保守的な戦いをしていたが、試合にどのような影響を与えたと思うか?

(略)

 今日の試合に限って言えば、本田はデリケートな役割を見事にやったし、褒美としてゴールも決めた。しかし、これは彼のキャリアの始まりでしかない。メディアの皆さんも、今日のゴールだけで本田をヒーローだと持ち上げないでほしい。もし明日の一面がすべて本田ということになれば、日本の未来は危ない。ヒーローは1人ではなく全員だ。もし本田がゴールしたことでヒーローになったとするならば、トラップ技術が巧みでGKの上にボールを浮かすキックができればみんながヒーローになれるということだ。しかし、そうではない。ヒーローは自分の一生と自分の命を懸けて何かを守る存在のことだ。

 日本代表は今日の勝利にかかわらず、ノーマルなチームであってほしい。次の試合で負けたとしても落ち込むことがないように。まずは、今日の試合から学ぶことだ。なぜなら多くのミスが出たのだから。特にメディアの皆さんは選手やスタッフの気持ちを考えて記事を書いてほしい。応援する気持ちで書いてほしい。チームがノーマルな方向で団結できるように、メディアの役割はヘルプすること、サポートすることだ。チームの雰囲気を台無しにすることではないと思う。今ごろカメルーンの新聞記者は、チームが修復不可能になるような記事を書いているかもしれない。日本の皆さん、お願いだから冷静になってほしい。
 今日は、特に日本のディフェンス陣が良かった。サイドの若い選手たちが頑張っていたと思う。

オシム氏は、一貫して「スターシステム」、それを作り上げるメディアを批判してきた。マスコミの力は大きいだけに、自重して欲しい、と従来から言ってきた。

余計なことかもしれなけれど、このコメントにおける「本田」を「新しい民主党の代表」と置き換えてもほぼ通じるような気がした。

メディアがもっぱらリーダーだけに注目し、しょうもない部分で持ち上げたあとに、一転して、人格・能力攻撃をして、システム、全体としてのの問題の構図を報じないままに、雰囲気で政権を葬る、という事を何度も見せつけられた日本人は少し考えを変えても良いと思う。